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和田です。

今日も私の過去の恋愛談について話していきます。

今までは、小学校時代の初恋中学での女友達憧れの女の子

と学校での恋愛について書いていきましたが
今日はもっと違った小さなエピソードについて話していきたいと思います。

かなり記憶がおぼろげなところがありますが
思い出せる範囲で書いていこうと思います。

鉄道スタンプラリー

それは小学生の頃のある夏の日。

当時私は東京、小田急線沿線の駅近くに住んでいました。

小田急線とは東京都、神奈川県近辺を走る私鉄です。

当時小田急は京王電鉄と共同してスタンプラリーの企画を催していました。

小田急、京王の各駅に置かれたスタンプ台でスタンプを押し
専用の台帳に全てを埋めると景品がもらえました。

私は4才年上の兄と一緒に参加しました。

詳しくは覚えていないのですが夏休みの期間に
全ての駅を回れば良いということなので
時間は余裕があったような気がします。

しかし各駅、各駅、降りなければいけないので
思った以上に大変だった記憶があります。

切符は確かそれ専用の一日乗車券のようなものがあった気がしています。

とにかく駅についたら真っ先にスタンプ台を探し
スタンプを押し、今乗ってきた電車にまた飛び乗る
ということを目指していました。
(駆け込み乗車ですね、かなり危ないですね…笑)

しかし大抵はスタンプ台を探していたり
押している間に電車が行ってしまい
スタンプを押したら
次の電車を待たなければいけませんでした。

ですから思った以上に時間がかかりました。

待っている間もヒマだった記憶があります。

スタンプラリーの姉妹

しかしそんな中、出会いがありました。

スタンプラリーをしていると他にスタンプラリーを
やっている人たちと出会います。

大抵が子どもとその親だったりするのですが

ある日私達兄弟はある姉妹に出会いました。

彼女たちも同じスタンプラリーをやっているようでした。

スタンプ台でスタンプ押していればそれは一目瞭然で分かります。
相手も分かったのでしょう。

電車を待っている間に話しかけてきました。

するとその姉妹、姉の方は私の兄と同い年で
妹の方は私と同い年でした。

行き先も同じということでその日は
そのまま一緒に行きました。

必然的に兄とそのお姉さん、
妹の方と私、というペアになって行動することになりました。

うまい具合にペアになるわたしたち…

その妹は明るい子でした。
彼女は初対面の私に対しても物怖じせず
色々と学校のことなどを聞いてきました。
また彼女もまた自分のことについてよく話しました。

彼女はなんていうかおませな性格だったのでしょうか、
よく電車内にいるカップルなどを見つけては

「あの2人は多分喧嘩中だよ」

とか何とか言って興味津々に見ていました。

また私に対しても

「彼女いるの?」

とか聞いてきて
当時恋愛なんてほとんど意識したことがない
ましてや付き合う、付き合わないなんて
考えたこともない私にとって大変衝撃的でした。

その子は京王多摩センターに住んでいると言っていました。

その駅は私の最寄り駅からは遠かったので
(当時の私からすれば)

「遠くの人はこんなこと考えてるんだ」
「やっぱり全然違うんだな~」

と思っていました。

姉の方は全然話さなっかたので
よく分かりませんでした。

ただ普段おとなしいウチの兄が
そのお姉さんに連れられてスタンプ台探して
押している姿はなかなか新鮮でした。

兄たちが先に押して、
私達が次に押すという順番でしたので

兄たちは私達がスタンプ押し終わるまで
待っている状態でした。

トラブル発生…!

しかしある時スタンプを押し終えた兄たちが
先に電車に乗って行ってしまいました。

私達が後から来ると思ったのでしょう。

でも私たちはスタンプ押した後も
何か喋っていたりしてノロノロしていました。

そして私と妹は残されてしまいました。

私は困りました。

当時は携帯電話などない時代です。

妹は次来た電車に乗ればいい、向こうで待っているよ
と言いました。

普通に考えればそうでした。
スタンプ台を目指すためにどのみち次の駅に行かなければいけません。

しかし私は下手に動かないで兄たちを待つべきだと言いました。

過去、兄と私がこういった離れ離れになった時
弟である私は動かないで待つ、ということが暗黙の了解でした。

待つ2人…

しかし結局、私と妹は次来た電車に乗りました。
妹の方が正論だったためそうなりました。

しかし次の駅についてもそこには兄姉の姿はありません。

私はやはり待っていたほうが良かった、と思いました。

文句を言おうと妹の方を見ると、彼女は泣きそうでした。
私は戸惑いました。

「きっと入れ違いになっちゃったんだよ、ここで待っていれば来るよ」

そんな風に私は慰めました。

「先行っちゃったんじゃないかな…」

彼女はさっきまでの快活さがウソのように
シュンとなっていました。

文句を言おうと思っていた気持ちはどこかに消え、
私は彼女を元気づけようと自動販売機でジュースを買ってあげました。

彼女はおねえちゃん怒っちゃったんじゃないかな、と言って不安そうにしていました。

私も少し不安になりました。

スタンプ台を見つけたりするのも兄たちに任せ
私たちはただペチャクチャ喋りながら何も考えず
兄たちの後ろに付いて行ってスタンプを押していただけです。

挙句の果てにふざけていて電車に乗り遅れる…

でも流石に怒ったなんてことはないだろう
と思っていました。

不思議な感じでした

しばらく待っていました。

待っている間に彼女と色々と話しをしました。

大抵がとりとめもない学校の話でしたが
一つ彼女に言われたことで大きく印象に残っていることがあります。

それは

「あんまり喋らないけど、頼りになるね」

というセリフでした。

「不安な状況で落ち着いていられるのスゴイ」

とも言われました。

どういった話の流れで彼女がそう言ったのかは忘れましたが
当時シャイで女の子とはあまりまともに話せない自分が
とても勇気づけられた言葉でした。

しばらくして兄たちと合流できました。
これもあまり良く覚えていないので
兄たちが戻って来てくれたのかどうしたのかはっきりとは覚えていませんが
とにかくほっとしたことを覚えています。

また一緒に__

と同時に彼女との時間が終わってどこか寂しい気持ちも
あったと思います。

その後はスタンプラリーを続けました。
ただスタンプラリーは一日二日で終わる量ではありません。

途中で解散になりました。

姉妹と私達兄弟は全然最寄り駅が違うので
完全に別方向へ帰ることになります。

別れるときに
「また一緒に回ろうね」
と私達4人は約束しました。

私は家に帰ってからも彼女のことが気になっていました。

また会いたい、会えるだろうと思っていました。

特に連絡先を交換したわけでもないのですが
また一緒に回れると思っていました。

消えた姉妹、諦めきれない自分

その次の日も、私達兄弟はスタンプラリーに行きました。

姉妹には会えませんでした。

その次の日も、私達兄弟はスタンプラリーに行きました。

姉妹には会えませんでした。

その次の日も、私達兄弟はスタンプラリーに行きました。

姉妹には会えませんでした。

当然そんな都合よくバッタリ会えるはずがありません。
そのままスタンプラリーは終わりました。

私はショックでした。

また会いたかったので彼女たちの最寄り駅に行ってみようと思いました。

兄も誘おうかと思いましたが
なんか女の子に会いに行きたいと言うのが恥ずかしくて
結局不安ながら一人で行きました。

その駅までは遠かったです。

一人電車に揺られ、ドキドキしていました。

遠くの友人に会いに行く、なんて何か物語のようだと思いました。

やがて駅に着きました。

初めて降りる駅に興奮し、私はとても緊張していました。

周りをブラブラしました。
当然彼女の最寄り駅に行っただけで姉妹に会えるはずがないのですが
何故か私はとても興奮していました。

そして土地勘もないくせにブラブラ街を歩きました。
この辺に姉妹は住んでいるのかな、と思って色々と想像していました。

今考えると、大分ストーカーくさいと思います。

やがて当然の事ながら道に迷いました。

そして急に不安になり、恐怖が襲ってきました。

本当に間抜けです。
何をやっているんだと過去に戻って棒で殴りたいです。

しかしまだ10にも満たない時分、未知の土地で道に迷い、
その不安はとてつもなかったです。

まるでどこだか分かりません。

人に聞こうにも人がいません。

私はパニックになりました。

無我夢中で戻ってきた道を戻りました。

走って走って走りました。

気がついたら更に良くわからないところにいました。

戻ったつもりで何故かヘンな路地に入ってしまい、
行き止まりにたどり着いてヘナヘナと腰を尽きそうになったことを思い出します。

泣きたくなりました。

兄と一緒に来れば良かったと思いました。

というかそもそも自分はなぜこんなところにいるんだと思いました。

姉妹に対して何故か憎しみを感じました。

あいつらのせいで自分がこんな目に合っている、と
なんとも理不尽な怒りを感じていました。

妹の顔を思い出し、
お前のせいだ、と行き止まりの道を見ながら
心の中で罵倒しました。

心の中の彼女は笑っていました。

その彼女の顔を思い出した瞬間、
彼女のセリフを思い出しました。

「あんまり喋らないけど、頼りになるね」
「不安な状況で落ち着いていられるのスゴイ」

私は泣きそうになっていた顔を上げて、
すっと前を向きました。

冷静さを取り戻そう、そう思いました。

彼女にこんな姿を見られたら落胆される、
と思いました。

ゆっくり歩き出しました。

そのうち、誰かいるだろう、
その人に駅への道を聞こう、そう思いました。

冷静さを取り戻した私はそのまま駅にたどり着くことができ、
家に帰ることができました。

家に帰ったら兄にどこに行っていたのかと聞かれました。

「迷っていた」

私はそう答えました。

兄はまたか、と言って
本当にお前はすぐ迷子になるだらしない、と説教を始めました。

私は何くわぬ顔で聞き流し、

「大丈夫自分は帰ってくるから」

と答えました。

 


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